江ノ電沿線には、人気の観光スポットがたくさんあります。
しかし、今回、記事にするのは「沿線」ではなく「江ノ電」そのもののレアスポットです。
鉄道なのに路面を走ったり‥
駅じゃないのに電車が停まったり‥
煉瓦造りのトンネルを走ったり‥
鉄道ファンでなくとも引き込まれてしまうスポットです。
しかし、ここは決して秘密の場所ではありません。
江ノ電の各駅に、堂々と掲げられています。
この掲示板に気が付き、「江ノ電各駅下車の旅」シリーズで巡り、記事にしてきました。
そして、「江ノ電」は、この3か所を含め、明治日本の鉄道の黎明期の様子を今に伝えるものとして「土木遺産」に認定され、4か所に銘板が設置されています。
今回は、これまでに個々に綴ってきたものを編集し、書き足しました。
目 次 🚋
路面走行区間
江ノ電は、鉄道ですが龍口寺前交差点から腰越までは道路の上を走ります。
都電のような路面電車と異なり、本来、鉄道は道路上を走ることが出来ません。
元々、路面電車としてスタートした江ノ電が、戦時中に国策で鉄道に切り替えられたことが背景にあります。
(腰越を走る江ノ電)
道路を走る姿は、ノスタルジックな雰囲気があります。
そして、路面走行区間で特筆すべきは、「龍口寺前交差点」のS字カーブです。
最小半径R=28mで敷設されており、普通鉄道としては日本一の急カーブだそうです。
この急カーブを曲がるために、江ノ電は、
車両の長さが約12m(一般的には20m)です。
車両の連結部に台車を設ける「連接車」となっています。
「龍口寺前交差点」には、土木遺産の銘板があります。
(龍口寺前交差点に行ったときの記事です)
峰ヶ原信号場
「単線」の江ノ電は、電車がすれ違う場所が必要です。
すれ違いができる駅もありますが、駅以外に電車がすれ違う場所が信号場です。
「鎌倉高校前駅」と「七里ヶ浜駅」の間に「峰ヶ原信号場」があります。
この場所に来ると、上下線とも一旦停止し、安全を確認したのちに出発します。
江ノ電では、この一か所のみで、全国的にも珍しいようです。
極楽洞
「極楽寺駅」と「長谷駅」の間には、「極楽洞」という煉瓦造りの坑門があります。
建設当時の煉瓦張りがそのまま残されているそうで、延長は、209m。
「極楽洞」は、江ノ電唯一のトンネルで明治40年(1907年)に竣工、長谷駅側は「千歳開道」という名前だそうです。
江ノ電が極楽洞を走り抜ける景観は、古都鎌倉に近代の息吹を伝えた電気鉄道の歴史を偲ばせています。
「極楽洞」にも、土木遺産の銘板があります。
鎌倉高校前駅
「土木遺産」認定を記念して設置された銘板は、「鎌倉高校前駅」と「極楽寺駅」にもあります。
スラムダンクの聖地として、各国から観光客が訪れる踏切の最寄り駅です。
レトロな駅舎です。
ホームの目の前は、湘南海岸です。
「鎌倉高校前駅」は、関東の駅100選にも選ばれています。
この駅のホームにも銘板があります。
極楽寺駅
「鎌倉高校前駅」から、3つ鎌倉駅寄りが「極楽寺駅」です。
レトロな駅舎が人気スポットです。
この駅も関東の駅100選にも選ばれています。
ここにも銘板があります。
藤沢駅と鎌倉駅の15駅を37分で結ぶ10㎞ほどの江ノ電。
随所に歴史と今を感じることができる路線です。