美しく、そして謎めいた宇宙。
人をひき付けるものがあります。
2003年、地球から約6億キロ離れた小惑星「イトカワ」に向い、
数々の困難に遭遇しながらも7年後に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。
そして、2020年12月に「リュウグウ」の“砂”を載せたカプセルを地球に送り届けるという快挙を成し遂げた後継機の「はやぶさ2」。
👇2014.12 H2Aロケットによる「はやぶさ2」の打ち上げ
先月、はやぶさ2のカプセルが持ち帰った「リュウグウ」の“砂”から、「生命の源」となる「アミノ酸」が検出されたという快挙が大きく報道されました。
その「はやぶさ」と「はやぶさ2」を開発し、管制したのは、JAXA相模原キャンパス(相模原市)の宇宙科学研究所(ISAS)です。
そこには「はやぶさ」をはじめとした宇宙科学の展示もあるとのことです。
先日、「はやぶさの故郷」ともいわれる相模原市にあるJAXA相模原キャンパスを訪ねてみました。
目 次 🚀
はやぶさ
小惑星探査の技術を実証するという目的で「はやぶさ」が宇宙に飛び立ったのは2003年5月のこと。
地球から約6億㎞離れた500mほどの小惑星「イトカワ」にタッチダウンし、
地球にサンプルを持ち帰ることが課せられたミッションでした。
(ちなみに、月までは約38万㎞、太陽までは約1億5000万㎞です。)
「はやぶさ」を開発したのは、JAXA相模原キャンパスの宇宙科学研究所(ISAS)です。
M-V(ミューファイブ)ロケットで打ち上げられ、2005年9月に「イトカワ」に到着。
燃料漏えい、姿勢喪失、通信途絶、イオンエンジンの停止などいくつものトラブルに直面しながらも、
同キャンパス内に置かれた管制室の粘り強い対処で、「イトカワ」の表面物質を採取し、地球の大気圏に再突入。
はやぶさ本体は燃え尽きましたが、カプセルは2010年6月13日に地球に帰還しました。
世界初の快挙でした。
はやぶさ2
「はやぶさ」の後継機として、地球から約3億㎞離れた直径約900mの「リュウグウ」に向かったのが、「はやぶさ2」です。
「リュウグウ」は、有機物や水が含まれる可能性を秘めた惑星で、地球・海・生命の起源と進化を探るカギとなる天体です。
2014年12月、「はやぶさ2」は、H2Aロケットで打ち上げられ「リュウグウ」に向かいました。
2018年6月に「リュウグウ」に到着した「はやぶさ2」は、タッチダウンに成功。
打ち上げから6年後の2020年12月に「リュウグウ」のサンプルを載せたカプセルが地球に帰還しました。
先月、このサンプルから、「生命の源」となるアミノ酸の存在が世界で初めて確認されました。
誕生当時はマグマに覆われるなどして、生命は存在し得ない環境にあった地球
その地球に38億年前に生命が誕生したのはなぜか‥
人類の起源は、地球外から来たのか‥
それらを解き明かすカギの一つとなります。
JAXA相模原キャンパス
「はやぶさ」「はやぶさ2」を開発し、地球から管制したのがJAXA相模原キャンパスの宇宙科学研究所(ISAS)です。
JR横浜線の淵野辺駅(相模原市)から、徒歩約20分のキャンパス内には、「宇宙科学探査交流棟」があり、宇宙科学に関する展示を見学できます。
敷地内に入ると緑に囲まれた施設です。
研究棟です。
右に曲がるとロケット(模型)があります。
左がM-3SⅡロケット、右が「はやぶさ」を打ち上げたМ-Ⅴ(ミューファイブ)ロケットです。
М-Ⅴの後ろ姿です。
ロケットの隣に「宇宙科学探査交流棟」があります。
小学生が社会見学に来ているようです。
建物内に入ると体育館ほどの空間に様々な展示があります。
1955年に開発された日本初の実験用ロケット「ペンシルロケット」の実機です。
М-Ⅴロケットの先端部分のカットモデルです。「はやぶさ」が、載っています。
少し奥に入って見たところです。
「はやぶさ2」の実寸大模型です。
「リュウグウ」の模型です。
「はやぶさ」のカプセルの帰還の模型です。
そして、相模原キャンパスに来なければ見ることができないものがこの中にあります。
約7年間の宇宙の旅から帰還した「はやぶさ」のカプセルの実物がありました。
この部屋だけは、写真撮影が禁止でした。
相模原市立博物館
JAXA相模原キャンパスの向かいに「相模原市立博物館」があり、はやぶさ関連の展示もあるので寄ってきました。
博物館の入口近くには、「はやぶさ2」のマンホール蓋がありました。
中に入ります。
「はやぶさ」の実寸大模型です。
宇宙研の管制卓(実物)や「イトカワ」「リュウグウ」の模型もありました。
2020年12月に、「リュウグウ」の“砂”が入ったカプセルを地球に送り届けた「はやぶさ2」ですが、
「はやぶさ2」本体は、今も宇宙の旅を続けています。
向かうのは、地球と火星の間を公転する直径約30mの小惑星「1998KY26」です。
到着は、2031年の予定です。