藤沢市の辻堂にある「藤澤浮世絵館」で、「浮世絵と御開帳 相模と江戸の往来」展をやっていると聞いたので、行ってきました。
現職時代、とくに退職前の十年ほどは、心にゆとりがなく、歴史や芸術といったものにはほとんど無頓着でした。
そんな呑気なことをやってられない‥。
定年退職してみると、心にゆとりができたせいか、こうしたことに心を惹かれるようになりました。
「藤澤浮世絵館」は、東海道・藤沢宿や江の島の浮世絵をはじめとした郷土資料を鑑賞できる施設として、2016年7月に開館したそうです。
常設展示と企画展示があり、今回は、企画展として「浮世絵と御開帳 相模と江戸の往来」が9月1日まで開催されています。
「藤澤浮世絵館」は、東海道線辻堂駅から徒歩5分のところにあります。
写真左手が、写ってはいませんがTerrace Mall 湘南です。右手奥が、「藤澤浮世絵館」の入っているCocco Terrace 湘南です。
道沿いに歩いていくと、奥の建物がCocco Terrace 湘南です。
建物の7階が、「藤澤浮世絵館」です。
エレベーターで7階まで昇ります。
見晴らしがいいですね。
エレベーターを降りると、すぐに「藤澤浮世絵館」です。
なかなか立派です。
入館は無料なので、入り口から入ると、すぐにあるのが二代歌川広重作の「東海道五十三次」コーナー。
日本橋から京都の三条大橋までの53の宿場町を描いたもので、藤沢宿は、日本橋から数えて6番目です。
藤沢宿の名物は、「大山詣で」と「江の島弁財天詣で」だったそうです。
「藤沢宿」を起点として、江の島道を通って「江の島」に行くことができましたし、大山道を通って「大山」にも行くことができました。
江の島は、今では全国的に知られた観光地ですが、江戸時代においても、江戸から3泊4日の旅で行けることから、弁財天信仰もあり参拝という名物で物見遊山としても盛んに行われ、多くの人で賑わったそうです。
(江の島弁財天開帳 参詣群衆之図 安政3年(1856年)歌川国郷)
また、藤沢宿から、「四ツ谷」を経て大山道を通って大山詣でに行く人たちでも賑わったそうです。
その時の様子が、浮世絵として残されています。
(諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの滝 天保4年(1833年) 葛飾北斎)
これは、大山詣での際に、良弁の滝で水垢離(みずごり)をしている様子を描いたもので、当時はこの浮世絵が、大山への憧れを誘ったそうです。
今回、写真を掲載したものは展示物のほんの一部ですが、これら以外にも、多くの浮世絵や資料が展示され、当時の様子が分かりやすく紹介されていました。
時を超えて、古(いにしえ)の様子を伝える「浮世絵」。
こうして、ゆっくり見たのは初めてのことです。
浮世絵を通じて、 昔の人々の生活に思いをはせる。
ときには、こうした時間もいいかもしれません。
※なお、写真撮影は、フラッシュを使わなければ認められていました。