美しいデザイン灯台のある大磯港。
照ヶ崎海岸は、大磯港の西側に位置する海岸です。
白砂青松のイメージがある湘南海岸ですが、
照ヶ崎海岸は、幾つもの岩礁が顔を出す荒々しさがある海岸です。
しかし、その岩礁が海岸を変化に富んだものと変え、他とは違った美しさを形づくっています。
そして、その照ヶ崎海岸は、春から秋にかけて、美しい羽色のアオバトが集団飛来する場所であり、神奈川県の天然記念物にもなっています。
先日、照ヶ崎海岸の岩礁地帯を初めて訪ねてみました。
目 次 🕊
照ヶ崎海岸
「照ヶ崎海岸」は、大磯港の西側にある海岸です。
昔、蛸之丞(たこのじょう)という漁師がこの海から引き上げたタコが、
光り輝く千手観音像に姿を変えたため、「照ヶ崎海岸」と呼ぶようになったそうです。
その千手観音像は、大磯町にある高麗寺(現在の高来神社)に奉納され、
700年余りの歴史を持つ「高来神社夏季例大祭 御船祭」が毎年催されています。
照ヶ崎海岸一帯は、かつて、海に突き出た岩場だったそうですが、港の整備に伴い今はその一部が残っています。
湘南海岸というと砂浜を思い浮かべますが、岩礁に打ち寄せる波の風景が見られる場所です。
荒々しい岩場は見応えがあります。
西の方には、万葉の頃から「こゆるぎの浜」とも呼ばれた砂浜が広がっています。
この日は雲で見えませんでしたが、富士山を望む風光明媚な海岸です。
アオバト集団飛来地
こうした岩礁のある「照ヶ崎海岸」だからこその貴重な訪問者があります。
それは、「アオバト」です。
アオバトは、全長約33cmのハトで全体が緑色の羽色です。
例年、5月初旬から10月頃まで、一日数千羽が巣のある丹沢山地から20~30㎞離れたこの岩礁に飛来してきます。
(大磯町のパンフレットから借用(写真提供は「こまたん」。以下同じ))
アオバトが飛来してくる目的は、海水を飲むためです。
集団で飛来したアオバトは、岩場に舞い降ります。
(大磯町のパンフレットから借用)
そして、窪みに溜まった海水を吸い込むように飲みます。
(大磯町のパンフレットから借用)
アオバトの主食である果実にナトリウム分がほとんど含まれていないため、
海水からナトリウムやミネラルを摂っていると考えられています。
ちなみに、海水を飲むことができる陸上生物は、アオバト以外にはほぼなく、人間は海水を飲むことはできません。
冬になると西日本に移動するそうです。
「照ヶ崎海岸」は、アオバト集団飛来地として、神奈川県の天然記念物に指定されています。
アオバトって、ほんとうにキレイで可愛いハトです。
いそべぇ・あおみ
地元の人々に愛されている「アオバト」は、大磯町の観光キャラクターでもあります。
(大磯町HPから借用)
明治から昭和初期にかけての時代から、現代にタイムスリップしてきたアオバトのカップルで、「いそべぇ」と「あおみ」といいます。
「いそべぇ」は、語尾に“べぇ”とつけて話すらしいです。
「あおみ」は、塩アイスが好物らしいです。
照ヶ崎海岸、ステキな海岸です。