身近にあるにもかかわらず、知らずにいる景勝地や歴史ある場所って、
意外とあるものです。
砂浜というイメージが強い湘南海岸ですが、
葉山町(神奈川県)にある森戸海岸には、
富士山と相模湾を望む海岸に
ゴツゴツとした岩礁も見渡せる素敵な場所があると聞きました。
先日、天気の良い日を見計らって、国道134号を使い逗子・葉山に行ってきました。
目 次 ⛵
森戸海岸(葉山町)
目指す場所は、葉山町にある森戸海岸の南端に位置する「森戸神社」の裏手の海岸です。
国道134号を鎌倉方面から向かい、葉山町に入り県道207号を右折して、1㎞ほどの所です。
森戸神社に着きました。
左手の道を進むと海岸に出ますが、お参りしてから行きましょう。
森戸神社は、森戸大明神とも呼ばれ、
源頼朝が、鎌倉に入った1180年に、伊豆の三嶋大明神の分霊を勧請して創建したと伝わる神社です。
境内に隣接して、様々な碑が建っています。
中央やや右は、明治から昭和にかけて活躍した詩人・堀口大学の碑です。
海岸に出て、少し北側に「千貫松」があります。
1184年、三浦方面に向かっていた源頼朝が、この地に立ち寄った際、
「見事な松だ」と褒めたところ、
出迎えた和田義則が、
「千貫の価値ありて千貫松と呼びて候」
と答えたことにちなんだと伝わっています。
西を見ると相模湾が広がっています。
右手には、富士山と江の島が一望できます。
左手には「名島(菜島)」が見えます。
右側には、源頼朝が建立したと伝わる鳥居が、左側には、白い「葉山灯台」が見えます。
葉山灯台は、石原裕次郎氏の三回忌に、兄・慎太郎氏が会長を務めていた「日本外洋帆走協会」が、
約1億円の寄付を集めて建設したもので、「裕次郎灯台」とも呼ばれています。
そして、この地には、「石原裕次郎記念碑」もあります。
慎太郎氏が、裕次郎氏の三回忌に合わせて、建立したものです。
神戸市生まれの裕次郎氏は、少年時代の一時期を逗子で過ごし、
慶応義塾大学在学中の1956年、「太陽の季節」の端役で映画デビュー。
その後、逗子・葉山を舞台にした「狂った果実」で主役を演じ、大スターへと飛躍していきます。
ヨットをこよなく愛し、ヨットマンとしても数々の実績を残しました。
残念ながら、病に倒れ、1987年に52歳の若さでこの世を去りました。
逗子海岸
森戸海岸から、国道134号で5分ほど鎌倉方面に行った逗子海岸には
「太陽の季節」記念碑があると聞いたので、帰りに寄ってみました。
逗子海岸から、西を望むと正面に箱根連山、右手には富士山と江の島が見えます。
右手には、逗子の海岸線があります。
左手には、葉山港の堤防があります。
「太陽の季節」記念碑です。
先月亡くなられた石原慎太郎氏の小説「太陽の季節」の芥川賞受賞50周年を記念して、2005年に建てられたものです。
神戸生まれの慎太郎氏は、後に逗子で育ち、藤沢市にある県立湘南高校を卒業。
一橋大学に在学中の1956年に、23歳で「太陽の季節」で芥川賞を受賞し、文壇デビューしました。
その後、政治家、東京都知事に転身したことは、ご存じのとおりです。
歯に衣を着せぬ言動は、賛否が分かれるかと思いますが、情に厚いともいわれる人柄を慕う人も多かったようです。
記念碑の除幕式には、逗子海岸が多くの人で埋め尽くされたそうです。
逗子、そしてヨットや海をこよなく愛した氏。
逗子・葉山、そして湘南の知名度を全国的なものに押し上げた一人であったことは間違いないでしょう。