2000年(平成12年)6月まで、松竹大船撮影所があった大船駅東口。
1936年(昭和11年)に開設された同撮影所では、昭和を代表する映画が数多く生み出されてきました。
中でも、代表作の一つと言えるのは「男はつらいよ」。
故・渥美清さんが演じる「寅さん」は、
多くの日本人が共感するものを持った人物だったといえるでしょう。
先日、大船に用があったので、
「松竹大船撮影所跡」を訪ねてみました。
そして、以前から気になっていた
寅さんやマドンナたちが通ったという「中華 でぶそば」に立ち寄ってきました。
目 次
松竹大船撮影所
かつて、松竹は、蒲田撮影所で撮影をしていましたが、工場の騒音などにより支障があったため、
1936年(昭和11年)、大船駅の東口近くに「大船撮影所」をオープンしました。
「二十四の瞳」「秋刀魚の味」など昭和を代表する名作が生まれ、
なんといっても、「男はつらいよ」シリーズは、看板映画でした。
そして、「江戸川乱歩美女シリーズ」や「赤かぶ検事奮戦記」などのテレビドラマも撮影されました。
しかし、1996年(平成8年)、渥美清氏が亡くなった後、「男はつらいよ」の続行が困難になり、
2000年(平成12年)6月に撮影所は、閉鎖されました。
現在、松竹大船撮影所の跡地には、松竹が運営する「松竹大船ショッピングセンター」と「鎌倉女子大学」があります。
松竹大船撮影所跡へ
松竹大船撮影所跡へは、JR大船駅東口(笠間口)が最寄りです。
JR大船駅は、鎌倉市と横浜市栄区の境界上にあり、笠間口は、横浜市栄区笠間にあります。
駅前の商店街を東に進みます。
ここは、鎌倉市です。
さらに、直進します。
通りの名前は、「大船松竹通り」です。
「松竹大船ショッピングセンター」が、見えてきました。
右手の建物にBOOKOFF、左手の建物にイトーヨーカドーが入店しています。
ここの交差点名は、「松竹前」です。
正面が、「鎌倉女子大学」です。
左に曲がると、ショッピングセンターの敷地に公園が整備されています。
入ってみます。
突き当りまで行くと碑が建っていました。
1936年(昭和11年)に、松竹大船撮影所落成記念として、
桜の木を1,200本贈るとあります。
周囲には、当時のものかは分かりませんが、桜の木がたくさんありました。
ここに、「松竹大船撮影所」があったことは、
「通り」と「交差点」の名前に残るだけですが、
沢山の桜は、人知れずそのことを伝えているのかもしれません。
中華 でぶそば
ここの近くに、かつて、寅さんこと渥美清さんやマドンナたち、
そして山田洋二監督も通ったという中華料理店があります。
かなり前から存在は知っていましたが、訪れる機会を逃していました。
せっかくなので、行ってみましょう。
「松竹前」交差点まで戻り、右折します。
「松竹離山(はなれやま)通り」を進みます。
(矢印は右側になっていますが、行くのは左です)
少し行くと、KIOXIA横浜テクノロジーキャンパスがあります。
信号を左折します。
すぐ左側に、「中華 でぶそば」があります。
かつては、大船撮影所の近くにあったそうですが、この場所へ移転したそうです。
移転後も、寅さんたちは、通ってきてくれたそうです。
店内に入ると、「男はつらいよ」のポスターが貼ってありました。
渥美清さんのサインもありました。
開店直後だったからか、お客さんはいません。
メニューです。
「寅さんセット」しかないでしょう。
半チャーハンと半ラーメン、そして、シュウマイがセットになったものです。
待つこと、10分程度。
「寅さんセット」の登場です。
ラーメンです。
チャーハンです。
シュウマイです。
お味は、皆さんが写真から想像するものとおそらく同じです。
しかし、どこか懐かしい味がしました。
東京・柴又駅には、寅さんとさくらの像が、
そして、柴又には「寅さん記念館」があると聞きます。
1995年、松竹大船撮影所の一角に、映画テーマパーク「鎌倉シネマワールド」がオープンしましたが、
来場者が伸びず、わずか3年で閉鎖となってしまいました。
寅さんを生み出した大船に、記念するものが残っていないのはちょっと寂しい気がします。